2026年4月22日
皆様は、世界で最も多くの人が罹患している「慢性疾患」が何かご存知でしょうか。
がん、心血管疾患、あるいは糖尿病などの生活習慣病を思い浮かべる方が多いかもしれません。
しかし、国際的な疫学研究データが示す答えは、意外にも「歯にまつわる病気(歯科疾患)」なのです。
データが語る「世界で最も多い病気」

世界保健機関(WHO)が2022年に発表した『世界口腔保健状況報告書(Global Oral Health Status Report)』によると、世界人口の約半数にあたる約35億人が、むし歯や歯周病など、何らかの口腔疾患を抱えていると推計されています。
また、世界の疾病負担を測定する大規模な疫学研究「Global Burden of Disease(GBD)研究」においても、未処置の永久歯のむし歯は、調査対象となった全疾患の中で最も有病率が高い(ワースト1位である)ことが示されています。
これは、がんや心疾患、糖尿病、慢性呼吸器疾患といった、世界的に有名な主要非感染性疾患(NCDs)の患者数を大きく上回る、圧倒的な数字です。
なぜ、ここまで放置されてしまうのか?
私たち歯科医療従事者の間では、むし歯や歯周病の罹患率の高さは以前より知られていました。
しかし、他の全身疾患と直接比較したデータが広く示されたことで、この「35億人」という数字は、世界の医療分野に非常に大きなインパクトを与えました。
ここまで歯科疾患が蔓延してしまう最大の理由は、「初期段階では痛みがなく、命に直結するイメージが薄いため、治療が後回しにされやすい」という点にあります。
しかし、むし歯も歯周病も自然に治癒することはなく、進行すれば確実に歯を失う原因となる立派な「慢性感染症」です。
お口の健康は全身の健康の入り口
近年、口腔内の健康状態が全身の健康に深く関与していることが、多くの研究で明らかになっています。
例えば、歯周病菌やその炎症性物質が血管を通じて全身に巡ることで、糖尿病の悪化、心疾患や脳卒中のリスク上昇、誤嚥性肺炎、さらには認知症への関与など、さまざまな全身疾患の引き金になることが分かっています。
つまり、「たかがむし歯、たかが歯周病」と放置することは、全身の健康を脅かし、健康寿命を縮めることと同義なのです。
当クリニックからのメッセージ 〜予防歯科の重要性〜
世界で一番多い病気だからこそ、誰にでも起こり得る身近なリスクです。
しかし、歯科疾患の多くは、「正しいセルフケア」と「歯科医院での定期的なプロフェッショナルケア」の両立によって、確実に予防やコントロールをすることが可能です。
「痛くなってから治療する」のではなく、「病気にならないために歯科医院に通う」こと。
これが、世界で最も多い疾患からご自身を守る唯一にして最大の方法と当クリニックは考えます。
しばらく歯科検診に行かれていない方、ご自身のお口のリスクを正確に知りたい方は、ぜひ一度当クリニックへご相談ください。
生涯にわたって健康な歯を保つためのサポートを、私たちが全力で行います。
【参考文献・出典】
1.World Health Organization (WHO). Global oral health status report: towards universal health coverage for oral health by 2030. (2022).
2.GBD 2019 Diseases and Injuries Collaborators. Global burden of 369 diseases and injuries in 204 countries and territories, 1990–2019: a systematic analysis for the Global Burden of Disease 23.Study 2019. The Lancet, 396(10258), 1204-1222. (2020).
FDI World Dental Federation. Vision 2030: Delivering Optimal Oral Health for All. (2021).
瀬谷アクロスデンタルクリニック
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