グミ売上が飴を逆転!歯科医が警鐘を鳴らす「普通のグミ」と「サプリグミ」の落とし穴|瀬谷駅近くの歯医者・歯科|瀬谷アクロスデンタルクリニック

〒246-0031神奈川県横浜市瀬谷区瀬谷4-23-35 アクロスキューブ瀬谷1F

045-489-7400

WEB予約
院内写真

グミ売上が飴を逆転!歯科医が警鐘を鳴らす「普通のグミ」と「サプリグミ」の落とし穴

グミ売上が飴を逆転!歯科医が警鐘を鳴らす「普通のグミ」と「サプリグミ」の落とし穴|瀬谷駅近くの歯医者・歯科|瀬谷アクロスデンタルクリニック

2026年4月17日

最近、「グミの売上がついに飴(キャンディ)を抜いた」というニュースが話題になりました。
市場調査(※1)によると、グミ市場は近年急速に拡大しており、2024年には15〜69歳の購入率がなんと49.3%に達しました。
特に若年層や40代女性を中心に広く支持されており、コンビニエンスストアでも多種多様なグミが棚を独占しています。

しかし、歯科医院の診療室では、この「国民的なグミブーム」と比例するように、ある深刻なトラブルが増加しています。今回は、最新のデータと予防歯科の視点から、グミと飴の意外な落とし穴についてお話しします。

まず知っておきたい、お口の中の「歯が溶けるルール」

皆さんは、グミと飴、どちらがむし歯になりやすいと思いますか?実はどちらも非常にう蝕(むし歯)リスクが高いのですが、その「メカニズム」が異なります。

これを理解するために欠かせないのが「ステファン・カーブ(※2)」というデータです。お口の中は通常、中性(pH7.0)に保たれていますが、お菓子を食べると細菌が酸を出し、一気に酸性に傾きます。そして「pH5.5(臨界pH)」を下回ると、歯の表面が溶け始めます。

飴(キャンディ)の危険性:むし歯菌にエサを与え続ける「長時間の糖分シャワー」

飴は舐め終わるまでに時間がかかります。これは単に糖分がお口に残るというだけでなく、「プラーク(歯垢)の中に潜むむし歯菌に対して、酸の材料となるエサ(糖分)を絶え間なく供給し続けている」状態を意味します。菌が次々と酸を産生し続けるため、お口の中が「pH5.5以下の危険な時間帯」からいつまでも回復できず、唾液が歯を修復する(再石灰化)暇を与えません。

普通のグミの危険性①:飴より砂糖が少ないのに危険?「セメント密着」の罠

実は「同じグラム数」で比較した場合、飴(成分のほぼ100%が糖分)よりも、ゼラチンや水分を含むグミ(約70〜80%が糖分)の方が、砂糖の含有量自体は少ない傾向にあります。しかし、グミの最大のリスクはその「粘着性(停滞性)」にあります。噛み砕かれたゼラチン質の糖分は、奥歯の複雑な溝や歯間に、まるでセメントのようにピタッと張り付きます。飴と違って唾液の力だけでは洗い流されづらいため、長時間にわたって局所的にむし歯を一気に進行させてしまうのです。

普通のグミの危険性②:むし歯菌の前に「酸」が直接歯を溶かす

フルーツ味や「すっぱいパウダー」がまぶしてあるグミには、クエン酸などの強い酸味料が含まれています。これらはpHが非常に低く、むし歯菌が出す酸とは別に、強い酸に触れることで歯そのものが直接溶け出します(酸蝕歯 ※3)。グミは、「酸で歯の表面を柔らかくした上に、粘着性の高い砂糖を強力にすり込む」という、歯にとって最悪のコンボを決めている状態なのです。

「サプリメントグミなら安心」という最大の罠

ここで注目したいのが、購入層の中心となっている「40代女性」や健康意識の高い方々が陥りやすい罠です。

近年、ビタミンや鉄分、コラーゲンが含まれた「サプリメントグミ」が大人気ですが、パッケージの裏面(原材料名)を見てみてください。食品表示法では重量の多い順に記載するルールがありますが、多くの場合、一番最初に「砂糖(国内製造)」「水飴」と書かれています。

健康成分が入っていても、構成成分のベースは普通のお菓子と全く同じなのです。「これは健康食品だ」という安心感から、就寝前や歯磨きの後に食べてそのまま寝てしまうことで、お口の中がむし歯菌の温床になり、取り返しのつかない多発性う蝕(たくさんの歯が一気にむし歯になること)を引き起こす例が後を絶ちません。

科学的根拠に基づく「正しい付き合い方」

グミや飴を決して「食べてはいけない」わけではありません。
リスクを知った上で、以下のようなルールを取り入れ、グミや飴と上手に付き合っていく事をお勧めします。

① サプリグミも「おやつ」と同じタイミングで

健康成分が含まれるサプリグミであっても、歯にとっては普通の砂糖の塊と同じです。「健康のため」と就寝前や歯磨き後に食べるのは絶対に避けましょう。
食べるなら「おやつ」として時間を決め、食事の直後などにまとめるのが理想的です。ダラダラ食べを防ぐことで、お口の中が危険な酸性になる回数を減らし、唾液が歯を修復する時間をしっかり確保できます。

② 食べたらすぐ「水で強めにうがい」をする

食べた後は速やかに水でお口をゆすぎ(洗口)、お口の中を中性に近づけ、張り付いた糖分を少しでも洗い流してください。
さらに当クリニックでは、お口の酸をより確実にリセットする対策として、アース製薬の「モンダミン プロ」シリーズをご案内しています。 従来の洗口液の多くは「菌を殺すこと」がメインでしたが、この製品は「飲食後のお口の酸を素早く中和する」という点に特化しており、私自身も初めて知った時に「これは新しい!」と非常に感銘を受けました。
グミや飴を食べた後にこの洗口液を使用することで、お口をスピーディーに中性へ戻し、歯が溶ける時間を最小限に抑えることができます。
▶︎話題の「ドバイチョコ」や「グミ」。流行を楽しみながら歯を守る新習慣とは?

③ 「100%キシリトールグミ」を活用する

「どうしてもグミが食べたい」という場合は、キシリトール100%グミなどを活用するのも賢い選択です。
むし歯の原因となる酸を一切産生しない(ステファン・カーブを下げない)ため、歯を守りながら美味しく楽しめます。さらに、グミ特有の弾力でしっかりと咀嚼することは、お子様の健康的な顎の発育を促すという嬉しいメリットにも繋がります。

まとめ

食習慣のトレンドが変われば、お口の中のリスクも変わります。
「酸と粘着性」「健康食品の顔をした砂糖」というデータに基づいた事実を知っておくことが、一生の歯を守る第一歩です。

「うちの子の奥歯、大丈夫かな?」「健康のためにサプリグミを食べていた…」とドキッとした方は、ぜひ一度健診にいらしてください。瀬谷アクロスデンタルクリニックでは、客観的なデータと最新の知見に基づいた予防歯科医療を提供しています。

【参考資料・データ】
※1 株式会社インテージ等の市場調査データ(2024年 グミ市場動向および購入率)
※2 Stephan, R. M. (1944). “Intra-oral hydrogen-ion concentrations associated with dental caries activity.” JADA.
※3 厚生労働省 e-ヘルスネット「酸蝕歯の原因と対策」

瀬谷アクロスデンタルクリニック
〒246-0031 神奈川県横浜市瀬谷区瀬谷4-23-35 アクロスキューブ瀬谷1-1
TEL:045-489-7400

TOP