2026年5月28日
いつも瀬谷アクロスデンタルクリニックにご来院いただき、ありがとうございます。
2026年6月1日より、一部の要件を満たした医療機関において、保険診療での「直前キャンセルや無断キャンセル」に対するキャンセル料の徴収が国(厚生労働省)から認められる制度がスタートします。
ニュース等で目にして、「歯医者さんに行けなくなったらお金をとられるの?」と不安に思われた方も多いかもしれません。今回は、現役の歯科医師の視点から、この制度の“少し複雑な裏側”と、患者様ご自身の歯を守るために本当に知っておいていただきたいことを解説します。
実は、すぐにキャンセル料を請求できる歯科医院は「ごくわずか」です
結論から申し上げますと、6月1日になったからといって、全国のすべての歯医者さんが一斉にキャンセル料の請求を始められるわけではありません。
今回の制度は、厚生局(国)に対して「予約に基づく診察(選定療養)」というハードルの高い特別な届出を行っている医療機関にのみ適用されるルールと解釈されています。専門的な話になりますが、この届出をクリアしている歯科医院は現状極めて少なく、街の歯科医院のほとんどは、現行ルールのままではキャンセル料をいただくことはできないと思われます。
では、なぜ国は「キャンセル料」の制度を作ったのか?
算定できる医院が少ないにもかかわらず、なぜ国はわざわざこのような制度を明文化したのでしょうか。それは、「限られた医療資源(診療時間)を守るため」です。
ご予約の直前でのキャンセルや無断キャンセルが発生してしまうと、「その時間に本当に痛みを取ってほしかった」という他の患者様の受診機会を奪うことになります。日本の医療提供体制をスムーズに維持するための苦肉の策として、国レベルで「無断キャンセルへの抑止力」が議論されるようになったのです。
医学的な事実:予約通りの受診が「ご自身の歯」を守る
急なキャンセルは当クリニックの運営や他の患者様にも影響します。ですが、私たちが一番心配しているのは、治療が先延ばしになることで生じる「患者様ご自身の健康上のリスク」です。
治療中のリスク
治療と治療の間の「適切な期間設定」は非常に重要です。通院期間が必要以上に空いてしまうと、せっかく無菌状態に近づけた根管(歯の根)に再び細菌が繁殖したり、仮歯が割れてしまったりと、治療が長引いたり治療の成功率を下げる大きな要因となります。
予防(メインテナンス)のリスク
予防歯科の世界的権威であるペール・アクセルソン博士の長期的な臨床研究によって、「定期的なプロフェッショナルケア(歯科医院での専門的なクリーニング)を途切れさせずに継続すること」が、生涯にわたってご自身の歯を残すために不可欠であることが科学的に実証されています。
最適なタイミングでしっかりと受診していただくことが、お口の健康を長期的に守る一番の近道なのです。
当クリニックの対応について
当クリニックにおきましては、現在の国のルールなどを踏まえ、現時点ではキャンセル料をいただくことは見送ることにいたしました。
とはいえ、限られた診療時間を必要とされている患者様皆さまで大切に分かち合い、質の高い治療を安定してお届けするためには、患者様お一人おひとりのご協力がどうしても欠かせません。皆さまが気持ちよく、スムーズに治療を受けられる環境を守り続けていくために、当クリニックから以下のお願いがございます。
・ご予約の変更やキャンセルがお分かりになった際は、できるだけお早めにご連絡をお願いいたします。
・無断でのキャンセルや直前のキャンセルが度重なる場合は、他の患者様への影響を考慮し、誠に心苦しいのですが、以降の「事前のご予約」はお受けせず、「当日の空き時間でのご案内のみ(当日受付)」とさせていただく場合がございます。
私たちは、科学的根拠(エビデンス)に基づいた質の高い歯科医療を、一番良いタイミングで皆様にお届けしたいと心から願っております。何卒ご理解とご協力を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
瀬谷アクロスデンタルクリニック
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