歯ぎしりに「漢方」は効く?〜本当に歯を守るための3つの選択肢〜|瀬谷駅近くの歯医者・歯科|瀬谷アクロスデンタルクリニック

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歯ぎしりに「漢方」は効く?〜本当に歯を守るための3つの選択肢〜

歯ぎしりに「漢方」は効く?〜本当に歯を守るための3つの選択肢〜|瀬谷駅近くの歯医者・歯科|瀬谷アクロスデンタルクリニック

2026年10月13日

こんにちは。瀬谷アクロスデンタルクリニックです。

先日、来院された患者様からこんなご質問をいただきました。 「歯ぎしりを治すのに、漢方薬が良いと聞いたのですが本当ですか?」

ご家族に歯ぎしりの音を指摘されたり、朝起きた時に顎が疲れていたりすると、「なんとかして止めたい」と思いますよね。インターネットなどで調べると、「ストレスには漢方が良い」といった情報も見かけます。

今回は、この「歯ぎしりと漢方」への疑問にお答えするとともに、国際的な医学の基準から見た『本当に歯を守るための治療法』について、当院の考えをお伝えします。

歯ぎしりに漢方薬は効くのか?

結論から申し上げますと、「短期間で劇的に歯ぎしりをピタリと止める魔法の薬ではない」というのが当クリニックの考えです。

たしかに、歯ぎしりや食いしばりの原因の一つには「日常のストレス」や「睡眠の質の低下」が関係しています。そのため、ストレスを和らげたり、体質を改善したりする目的で漢方(抑肝散など)が役立つケースはあります。

しかし、以下のような注意点があります。

即効性・確実性は低い:
「飲んだその日から歯ぎしりが止まる」といった劇的な効果は望めません。

長期の服用には制限がある:
保険診療のルール上、明確な効果が見られないまま漫然と長期間、漢方を処方し続けることは推奨されていません。


根本的な「歯ぎしりのパワー」を薬だけで抑え込むことは、現在の国際的な医学のコンセンサス(共通認識)でも難しいとされています。

定番の「ナイトガード」の本当の役割

歯ぎしり治療と聞いて、一番に思い浮かぶのが保険診療で作ることができるマウスピース(ナイトガード)だと思います。

これも誤解されがちなのですが、ナイトガードには「歯ぎしり自体を止める効果」はほぼありません。

寝ている間の歯ぎしりは、脳からの無意識の指令(中枢性の生理現象)によって起こります。マウスピースを入れたからといって、脳の指令が止まるわけではないのです。 では何のために着けるのかというと、「自分の大切な歯がすり減ったり、割れたりするのを防ぐための身代わり(防具)」として機能させるためです。歯を守るためには非常に重要ですが、顎の筋肉の疲れ自体を直接的に取り除くことはできません。

▼ナイトガードの詳しい役割ついては、ぜひこちらのコラムもご覧ください。
夜間の歯ぎしりから歯を守る!「ナイトガード」の本当の役割とは?

「噛む力」のスイッチを物理的に切る『ボツリヌス療法』

「マウスピースに穴が空いてしまう」「顎の筋肉が痛くて辛い」「とにかく破壊的な力をなんとかしたい」という方に、当院が有効な選択肢としてご提案しているのがボツリヌス療法(ボトックス)です。

これは、顎の強い筋肉(咬筋など)に安全な薬剤を注射することで、神経から筋肉への「強く噛め!」という指令のスイッチを一部オフにする治療です。

脳が「歯ぎしりをしろ」と命令を出しても、筋肉がフルパワーを出せなくなるため、確実に噛む力(咬合力)を弱めることができます。国際的な見解でも、破壊的な歯ぎしりをコントロールする非常に有効な治療法として支持されています。

自費診療にはなりますが、「歯ぎしりそのものの力を弱める」という点では、現在最も直接的で効果を感じやすい治療法と言えます。

まとめ:歯ぎしりは「止める」のではなく「コントロール」する時代へ

現代の歯科医学では、歯ぎしりは完全に無くすことは難しく、「いかに上手につきあい、歯や顎を破壊的な力から守るか(マネジメントするか)」が治療のゴールとされています。

漢方: ストレス緩和などの補助的な役割

ナイトガード(保険): 歯の身代わりとなる必須の「防具」

ボツリヌス療法(自費): 破壊的な「噛む力」そのものを強制的に弱める

患者様のお口の状態や、ライフスタイル、どの程度お困りかによって、最適な治療法は異なります。
「朝起きると顎がだるい」「歯がすり減ってきた気がする」とお悩みの方は、ぜひ一度、瀬谷アクロスデンタルクリニックへご相談ください。あなたに合った最善の「歯を守る方法」を一緒に見つけていきましょう。

【参考文献・参考エビデンス】
本コラムの内容は、ブラキシズム(歯ぎしり・食いしばり)に関する以下の国際的なコンセンサスや代表的な研究報告を根拠としています。

1.Lobbezoo F, et al. (2018) “International consensus on the assessment of bruxism” (Journal of Oral Rehabilitation) 国際的な専門家会議による論文です。歯ぎしりが単なる噛み合わせの問題ではなく、脳(中枢神経)からの指令による生理的活動(睡眠関連の運動)であるという現在の世界的な共通認識を示しています。

2.Macedo CR, et al. (2007) “Occlusal splints for treating sleep bruxism (tooth grinding)” (Cochrane Database of Systematic Reviews) マウスピース(スプリント)の効果に関する信頼性の高い検証報告です。「マウスピースは歯の摩耗を防ぐ役割は果たすものの、歯ぎしりという行為(筋肉の活動)そのものを止める効果はない」と結論づけています。

3.Sendra LA, et al. (2021) “Botulinum toxin type A for sleep bruxism: A systematic review” (Journal of Oral Rehabilitation) ボツリヌス療法に関する研究をまとめた論文です。薬剤によって筋肉の収縮力を物理的に減少させることが、歯ぎしりによる破壊的な力を弱める上で有効な治療法であることを支持しています。

4.Guaita M, Högl B. (2016) “Current treatments of sleep bruxism” (Current Treatment Options in Neurology) 歯ぎしりの治療法全般(薬物療法を含む)に関するレビュー論文です。現在のところ、薬を飲むだけで歯ぎしりを完全に止める特効薬は確立されておらず、力をコントロールするマネジメントが重要視されていることが示されています。

瀬谷アクロスデンタルクリニック
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