2025年10月17日
~「だらだら食べ」と「お口の酸蝕」にご用心!~

瀬谷の秋の風物詩! 美味しい誘惑と「お口の健康」
さわやかな風が吹き、行楽に最適な季節となりました。
私たちの瀬谷区では、地元の果樹園(瀬谷駅周辺にもみかんや柿の畑が広がっていますね)で秋の果物狩りが本格的にスタートし、ご家族で賑わいます。また、地元情報サイトなどでも、区内の美味しいお店やイベント情報が数多く紹介され、「食欲の秋」を盛り上げています。
当院でも、この秋、何人かの患者様から「瀬谷で採れたものだからぜひ」と、甘い梨やみずみずしいブドウの差し入れを頂戴しました。瀬谷の豊かな恵みと、患者様の温かいお心遣いに心から感謝しております。本当に美味しくいただきました。
しかし、この美味しい秋の味覚を心ゆくまで楽しむために、気をつけたいお口の落とし穴があります。それが、「だらだら食べ」と「お口の酸蝕症(さんしょくしょう)」です。
地元への愛情も育む、笑顔の食卓が歯を溶かす!?
瀬谷には穏やかで優しい人々の暮らしがあり、果物狩りやピクニック、友人との集まりなどで、会話を楽しみながら、ついつい長時間食べ続けてしまうこともあるでしょう。
お口の中は食べ物を口にするたびに「脱灰(だっかい)=歯が溶け始める」状態になります。
・だらだら食べ: 食べる時間が長引くと、お口の中が酸性状態になっている時間が長くなり、唾液による歯の修復(再石灰化)が追いつかなくなります。これが虫歯を招く原因です。
・酸性の強い果物: 瀬谷の畑で採れるような、もぎたての新鮮なみかんや柿などの果物は、そのままの状態では酸性が強いものもあります。これらを頻繁に口にすることで、虫歯とは異なる原因で歯のエナメル質が溶けてしまう「酸蝕症」を引き起こすことがあります。歯が薄くなり、冷たいものが「しみる」原因にもなるのです。
「食欲の秋」を最後まで楽しむための歯科対策
せっかくの秋の味覚、美味しいものを我慢するのは難しいですよね。無理に食べるのを控えるのではなく、ちょっとした工夫で、お口の健康を守りながら、瀬谷の秋の味覚を楽しみ尽くしましょう。
【予防術 その1:メリハリのある食生活を】
長時間にわたる「だらだら食べ」や「ちょこちょこ飲み」(特にジュースや炭酸飲料)は避け、食事やおやつは時間を決めて摂りましょう。口に入れる回数を減らすのがポイントです。
【予防術 その2:食後すぐの歯磨きはNG】
酸性のものを食べた直後は、歯の表面のエナメル質が一時的に柔らかくなっています。すぐに歯ブラシでゴシゴシ磨くと、かえって歯を削ってしまう恐れがあります。
まずは水や無糖のお茶で口をゆすぐ。
食後30分ほど経ってから、フッ素入りの歯磨き粉を使って優しく磨くのが理想です。
【予防術 その3:歯科医院での「秋の検診」を習慣に】
気付かないうちに進行している虫歯や歯周病は、美味しいものを台無しにしてしまいます。
地元の農家さんが丹精込めて果物を育てるように、私たち歯科医師も皆様の大切な歯を守るお手伝いをしたいと考えています。本格的な冬の寒さが来る前に、一度歯科医院で歯や歯茎のチェックと、プロによるクリーニングを受け、最高のコンディションで秋の瀬谷を満喫しましょう。