【100%は安心?】果汁ジュースの『高濃度な糖分』とむし歯リスクの真実|瀬谷駅近くの歯医者・歯科|瀬谷アクロスデンタルクリニック

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【100%は安心?】果汁ジュースの『高濃度な糖分』とむし歯リスクの真実

【100%は安心?】果汁ジュースの『高濃度な糖分』とむし歯リスクの真実|瀬谷駅近くの歯医者・歯科|瀬谷アクロスデンタルクリニック

2025年10月31日

以前のコラム「果汁ジュースもむし歯のリスクになるの?」というご質問をいただきました。 コラムを読んでいただきありがとうございます。

多くの方が「果汁100%ジュースは、天然だから安心」「砂糖が入っていないからむし歯にならない」と思い込んでいますが、これは大きな誤解です。

結論からお伝えします。確かに、一般的な清涼飲料水に含まれる「砂糖(ショ糖)」は添加されていませんが、果汁ジュースにはむし歯のリスクを極めて高める「高濃度の糖分」が大量に含まれています。

今回は、果汁100%ジュースの糖分の実態と、「天然の糖」であっても油断できない理由、そして歯を守るための対策を解説します。

なぜ「100%」なのに甘いのか?

果汁100%ジュースが甘いのは、添加された砂糖ではなく、果物自体が持つ「天然の糖分(果糖やブドウ糖)」によるものです。この天然の糖も、高濃度になるとむし歯菌の活動を活発化させます。

また、製法によっては砂糖類が加えられる場合があります。

見分けるポイント:「濃縮還元」と「ストレート」

果汁100%ジュースは、主にこの二つの製法に分かれます。この違いが、糖分や添加物の有無、そして風味に影響します。

① 濃縮還元 (○○ジュース(濃縮還元))

果汁を一度加熱して水分を飛ばし、運搬・保管しやすくしてから、飲む際に再び水分を加えて元の濃度に戻したものです。
・糖分のリスク: 濃縮・還元する過程で失われた「風味」を補う目的で、原材料に砂糖類や蜂蜜などの甘味が加えられている場合があります。
・特徴: 価格が安く、一年を通して安定した品質と風味を保てます。

② ストレート (○○ジュース(ストレート))

生の果物を絞った汁を基本的にそのまま、殺菌処理しただけのものです。
・糖分のリスク: 添加物は基本的に使用しませんが、果物本来の天然の糖分がそのまま含まれています。
・特徴: 果実そのままの色や味、香りが楽しめますが、価格は高くなる傾向があります。

「天然の糖」でもむし歯リスクは存在する

「果糖は砂糖(ショ糖)よりむし歯になりにくい」という研究もありますが、果汁ジュースの場合、むし歯リスクを高める要因は「糖の種類」だけではありません。

リスクが高まる2つの理由

1.酸性度が高い(歯が溶けやすい)
果汁はpH値が低く(酸性度が高く)、歯の表面を溶かす「脱灰(だっかい)」を引き起こします。糖分がゼロであっても酸性飲料は歯を溶かすため、注意が必要です。

2.摂取の「回数」と「時間」が最悪のシナリオを作る
水分補給代わりに果汁ジュースダラダラと長時間、頻繁に飲んでいると、口の中が酸性から回復する暇がなくなります。

 ・【頻度】 飲む回数が多いほど、歯が酸にさらされる時間が増えます。

 ・【時間】 一回で飲み切らず、ちびちびと飲む時間が長いほど、口の中の酸性状態が続き、天然の糖分であってもむし歯が一気に進行するリスクが高まります

歯科衛生士から「ジュースとの上手な付き合い方」

ジュースを完全にやめるのではなく、歯の健康を守りながら楽しむための工夫をしましょう。

・【重要】「甘いもの」を「甘いもの」と合わせない工夫 果汁ジュースを飲む際は、「おやつ」として食事やおやつと一緒に一回で飲み切るようにしましょう。特に、甘いジュースとケーキやチョコレートなどの甘いおやつを同時に摂るのは避けるとよいでしょう。

・「口をリセット」する: ジュースを飲んだ後は、必ず水やお茶で口をゆすぐか、水を飲む習慣をつけることをおすすめします。酸性になった口の中を中性に戻すことができます。

・「飲む量」を意識して減らす: コップで飲む場合は少なめの量にしたり、パックやペットボトルは小さなサイズを選ぶようにするとよいでしょう。日頃の水分補給を、甘い果汁ジュースではなく、水やお茶に置き換えるだけでも大きな予防効果があります。

・代替案の利用も検討: キシリトールやエリスリトールなどの非う蝕性甘味料を使った飲料やガムも上手に活用されることをおすすめします。

最終的な健康管理とむし歯予防のためには、歯科衛生士による定期的なプロフェッショナルケアと、ご自身の食習慣の見直しが最も大切です。当院の歯科衛生士が、あなたの食生活やセルフケアを丁寧にサポートいたしますので、ぜひ一度、お口の健康相談にお越しください。

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