2025年10月21日
従来のレントゲンとの違い
従来の歯科用レントゲンは、歯や顎の骨を二次元の平面画像(平面の地図)として捉えます。これにより、多くの場合診断が可能ですが、奥にある骨や組織が重なって写ってしまうため、隠れた病変や、神経・血管との正確な距離を把握するのが難しいことがありました。
当院が導入している歯科用CT(コーンビームCT)は、この平面的な情報に奥行き(立体的な情報)を加えます。例えるなら、平面の地図(レントゲン)を見るだけでなく、実際の地形を再現した立体的な模型(CT)を見て診断するようなものです。
特に当院では、YOSHIDA製の「トロフィーパン エクセル3D NEO」を導入。このCTは優れたメタルアーチファクト除去効果を有しており、お口の中に金属の詰め物や被せ物がある方でも、よりクリアで正確な診断が可能になりました。
歯科用CTとは?
歯科用CTは、顎の骨や歯、周囲の組織を三次元(3D)の立体画像として撮影できる医療機器です。数秒の撮影で、まるで透明な箱の中を透かして見るように、歯や骨の内部構造、神経や血管の走行などを、あらゆる角度から詳細に確認できるようになります。
歯科用CT撮影が必要となる主なケースと効果
CTを活用することで、治療の安全性と成功率を飛躍的に向上させることができます。

【YOSHIDA「トロフィーパン エクセル3D NEO」の強み】
従来のCT撮影では、お口の中の金属(銀歯や被せ物など)が画像に映り込むことで、「メタルアーチファクト」と呼ばれる白い筋や影が発生し、金属の周囲にある骨や歯の状態が不明瞭になることがありました。
当院が導入した「トロフィーパン エクセル3D NEO」は、このメタルアーチファクトを大幅に低減する優れた機能を搭載しています。これにより、従来のCTでは見えにくかった金属の周囲の状態も詳細に診断する事が可能になりました。
例えば、過去に治療した歯の根の先に膿が溜まっていないか、被せ物の下に虫歯が隠れていないか、インプラント周囲の骨の状態はどうかなど、より精密な情報を得ることで、見落としのない適切な治療計画をご提案できます。
従来のCT画像と、メタルアーチファクト除去後のクリアなCT画像を比較すると、その違いは一目瞭然です。

患者様にとってのメリット
1.診断の質と安全性が格段に向上: レントゲンでは影に隠れて見えなかった病変も、3Dで確認することで見逃しを防ぎ、治療の精度を高めます。特に金属のある部位の診断精度が向上しました。
2.納得と安心の治療: ご自身の口腔内を「立体的な模型」として見ていただくことで、治療の必要性や方法を直感的に理解し、納得して治療に進むことができます。
3.身体への負担を軽減: 事前に詳細な情報を得ることで、治療中の予測外のトラブルを防ぎ、治療期間や処置の負担を最小限に抑えることができます。
まとめ
歯科用CT撮影は、「見えない部分をしっかり見てから治療を始める」ための重要なステップです。お口の中に金属がある方もそうでない方も、安心してより正確な診断を受けていただけます。
当院ではこの先進技術を活用し、患者様一人ひとりに合わせた、より確実で安全な歯科医療を提供してまいります。ご自身の口腔内の状態を詳しく知りたい方は、お気軽にご相談ください。