2026年3月10日

こんにちは、瀬谷アクロスデンタルクリニックです。
先日、女性の患者様が「左下の歯がズキズキととても痛い」と、急な痛みを訴えて来院されました。 実はこの患者様、当クリニックに来る数日前に、別の歯科医院で診てもらっていたそうです。そこでは「親知らずが原因かもしれないので、一旦様子を見ましょう」と言われたとのこと。
しかし、痛みは更に激しくなってしまい、痛み止めの薬を飲んでも治まらないほどの激痛を抱えて当クリニックへ駆け込まれました。
検査の結果、痛みの原因は親知らずではなく、「中心結節(ちゅうしんけっせつ)」という歯の突起が折れたことによる神経の感染を強く疑うものでした。今回は、特に10代〜20代の若い方に多い、この「中心結節」のトラブルについて、お話したいと思います。
【中心結節(ちゅうしんけっせつ)とは?】

「中心結節」とは、主に下の小臼歯(前から5番目、または4番目の歯)の噛み合わせの面にできる、小さな突起のことです。これは一種の形態異常ですが、日本人には比較的多く見られ(出現率は数%と言われています)、決して稀なものではありません。
最大の問題点は、「突起の内部まで神経(歯髄)が入り込んでいることが多い」という点です。
【なぜ激痛を引き起こすのか?】
生えたての永久歯にあるこの突起は、細くて折れやすく、食事の際の衝撃や歯ぎしりなどで、容易に折れてしまうことがあります。突起がポキッと折れると、そこから中の神経が露出(露髄)してしまいます。
1.突起が折れる
2.そこから細菌が侵入する
3.神経が炎症を起こす(歯髄炎)
4.さらに進行すると神経が死に、根の先に膿が溜まる(根尖性歯周炎)
恐ろしいのは、折れた直後は痛みがなく、時間をかけてじわじわと細菌感染が進むケースがあることです。
そのため、忘れた頃に突然「眠れないほどの激痛」や「歯茎の腫れ」として症状が現れるのです。
【第一の選択肢:折れる前の「予防」】
中心結節が見つかった場合、最も効果的なのは「折れる前に守る」ことです。
具体的には、突起の周りを歯科用プラスチック(CR:コンポジットレジン)でスロープ状に埋めて補強します。
こうすることで、噛んだ時の衝撃を分散させ、突起が折れるのを防ぐことができます。
当クリニックでは、お子様の検診時に中心結節を発見した場合、この予防処置を推奨する事が多いです。
【もし折れてしまったら?~状況に応じた治療~】
不幸にして中心結節が原因でトラブルが起きた場合、治療法は「歯の状態」と「年齢(根の完成度)」によって分かれます。
・歯髄温存療法(神経を残す治療)
まだ根っこが完成していない(成長途中の)歯の場合、可能な限り神経を残す努力をします。
神経を取ってしまうと、根の成長が止まり、歯が薄く脆くなる可能性があるためです。
感染部分だけを除去し、特殊なセメント(MTAセメントなど)で保護して経過を見ます。
・感染根管治療(神経の治療)
今回の患者様のように、すでに神経が死んでしまっていたり、根の先に膿が溜まって強い痛みが出ている場合は、感染した神経や汚れをきれいに取り除く「根管治療」が必要になります。
特に急性症状(激しい痛み)が出ている時は、麻酔が効きにくいこともあるため、まずお薬で炎症を抑えてから治療を開始する場合もあります。
【まとめ】
中心結節は、定期検診で見つけることができれば、簡単な処置で将来の激痛や抜髄(神経を取ること)を防ぐことができます。
「下の歯の真ん中にツノのようなものがある」と気づいたり、お子様から「奥歯がなんとなくしみる」と訴えがあった時は、放置せずに早めにご相談ください。
瀬谷アクロスデンタルクリニック
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