低用量ピル服用中の抜歯リスクと、当クリニックでの安全な治療に向けた対策|瀬谷駅近くの歯医者・歯科|瀬谷アクロスデンタルクリニック

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低用量ピル服用中の抜歯リスクと、当クリニックでの安全な治療に向けた対策

低用量ピル服用中の抜歯リスクと、当クリニックでの安全な治療に向けた対策|瀬谷駅近くの歯医者・歯科|瀬谷アクロスデンタルクリニック

2026年10月04日

瀬谷アクロスデンタルクリニックです。

前回のコラムでは、抜歯後に激しい痛みが続く「ドライソケット」の原因や予防法について解説いたしました。今回は、そこでも少し触れた「低用量ピル(経口避妊薬:OC)」と抜歯の関係について、エビデンス(医学的根拠)に基づき詳しく解説いたします。

ネット上の情報などを目にされて「ピルを飲んでいると抜歯できないのでは?」とご不安な方もいらっしゃるかもしれませんが、結論から申し上げますと、低用量ピルを服用していても抜歯は可能です。しかし、医学的な観点から注意すべきリスクが存在するのも事実です。

なぜピルの服用がリスクになるのか?(メカニズム)

前回のコラムでお伝えした通り、ドライソケットは抜歯した穴を守る「血餅(かさぶた)」がうまく作られなかったり、剥がれたりすることで起こります。

低用量ピルには「女性ホルモン(エストロゲン)」が含まれています。このエストロゲンには、「線溶活性(せんようかっせい)」といって、血の塊を溶かす働きを強める作用があります。そのため、せっかくできた血餅が早期に溶けやすくなり、定着する前に剥がれ落ちてしまうことで、ドライソケットに繋がると考えられています。

複数の臨床研究において、低用量ピル服用者は非服用者に比べて、ドライソケットの発生率が約1.8倍〜2倍高くなることが報告されています。

抗生物質(抗菌薬)との飲み合わせについて

抜歯後には、細菌感染を防ぐために抗生物質をお出しすることがあります。
一般的な歯科用の抗生物質で大きな問題が起こることは稀ですが、種類によっては腸内細菌叢に影響を与え、低用量ピルの吸収率を低下させる(=ピルの本来の避妊効果や治療効果を弱める)可能性が指摘されています。そのため、処方薬の選択には十分な配慮が必要となります。

当クリニックでの安全な抜歯に向けた対策

リスクがあるとはいえ、過度に心配する必要はありません。当クリニックでは、以下の対策を徹底することで安全な治療を行っています。

絶対に自己判断でピルの服用を中止しないでください
ピルには生理痛の改善や子宮内膜症の治療など、患者様にとって大切な役割があります。自己判断で休薬すると本来の治療に支障をきたしますので、問診時には必ず服用中であることをお伝えください。

適切な抜歯時期のご提案(計画的抜歯の場合)
親知らずの抜歯など時期を柔軟に選べる予定抜歯であれば、ホルモン(エストロゲン)レベルが相対的に低くなる「休薬期間」に合わせて抜歯のスケジュールを組むことも一つの選択肢です。ドライソケットのリスクを低減できるという学術的な報告があるため、患者様のご予定や症状を伺いながら、可能な範囲で時期の調整をご相談させていただきます。

事前のご説明と、徹底した止血コントロール
ピルを服用中の方には、より一層慎重に止血状態を確認し、安全に血餅が定着するようサポートいたします。同意書を用いた事前の十分なご説明に加え、前回のコラムでお伝えした「抜歯後24時間は軽くゆすぐことすら控える」といったホームケアのルールを患者様ご自身にも徹底していただくことで、リスクはしっかりと抑えられます。

低用量ピルは、女性のQOL(生活の質)を向上させる非常に重要な薬剤です。歯科治療のために過度な不安を抱えたり、治療を諦めたりする必要はありません。当クリニックではエビデンスに基づいたリスク管理を行い、安全な治療計画をご提案いたしますので、ぜひ安心してお任せください。

【参考文献】

1.Nilesh K, Pisal E. “Incidence of alveolar osteitis in female patients on oral contraceptive drugs undergoing mandibular third molar surgery.” Journal of Stomatology, 2019.

2.García AG, et al. “Does oral contraceptive use affect the incidence of complications after extraction of a mandibular third molar?” British Dental Journal, 2003.

3.Sweet, E. R., & Hughes, M. H. “The incidence of dry socket and its relationship to the use of oral contraceptives.” American Journal of Orthodontics, 1995.

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