2026年10月07日

こんにちは。瀬谷アクロスデンタルクリニックです。
すっかり秋めいてまいりましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか。秋といえば「芸術の秋」。そこで今回は、音楽と医療のちょっと驚くような繋がりについてお話ししたいと思います。
ビートルズとCTスキャナ
皆さんは、伝説のロックバンド「ビートルズ」が、現代医療に欠かせない「CTスキャナ」の誕生に深く関わっているという話をご存知でしょうか?
「音楽と医療機器、一体どんな関係が?」と不思議に思われるかもしれません。実はこの二つを繋いだのは、ビートルズが所属していたイギリスのレコード会社「EMI」でした。
EMIは音楽レーベルとして世界的に有名ですが、当時は電子機器やレーダーなどを開発する強力な中央研究所も持っていました。1960年代、ビートルズが世界中で爆発的なヒットを記録したことで、EMIには莫大な利益がもたらされます。そして、この潤沢な資金が、同社の技術者であったゴッドフリー・ハウンズフィールドの基礎研究に惜しみなく投入されたのです。
ハウンズフィールドはこの資金を元にコンピューター断層撮影技術の研究に没頭し、1971年、ついに世界初となる医療用CTスキャナを完成させました。彼はこの偉大な功績により、のちにノーベル生理学・医学賞を受賞しています。
つまり、私たちが当たり前のように受けているCT検査の裏には、ビートルズが稼ぎ出した天文学的なレコード売上という「開発資金」の存在があったのです。

歯科医療におけるCTの活躍
医科の全身用CTから始まったこの技術は、現在ではさらに進化・小型化し、歯科の世界でも「歯科用CT」として欠かせないものになっています。
従来の平面的なレントゲン写真では見えなかった顎の骨の立体的な厚み、神経や血管の正確な位置、歯の根の複雑な形状などが、CTを使えば3Dで手に取るように分かります。親知らずの抜歯や、複雑な根管治療(歯の根の治療)などをより安全かつ確実に行うために、歯科用CTは今や大きな役割を果たしています。
もし今後、当クリニックや病院などでCTを撮影する機会がありましたら、「この技術の発展には、ビートルズの音楽が貢献しているんだな」と少しだけ思い出してみてください。少しだけ、検査の緊張が和らぐかもしれません。
お口の中で気になることがありましたら、いつでも当クリニックまでお気軽にご相談ください。
※余談ですが、近年の歴史研究では、CTの開発にはEMIの自己資金だけでなく、英国保健省からの多額の補助金も大きな役割を果たしていたことが分かっています。それでも「ビートルズがもたらした空前の利益が、未知の医療機器開発という壮大な挑戦を後押しした」という事実は、今も医療史における魅力的なエピソードとして語り継がれています。
【参考文献・参考資料】
1.Oransky, I. (2004). “Sir Godfrey N. Hounsfield”. The Lancet, 364(9439), 1032. (ハウンズフィールド氏の功績とCT開発の経緯についての医学誌記事)
2.Maizlin, Z. V., & Vos, P. M. (2012). “Do we really need to thank the Beatles for the financing of the development of the computed tomography scanner?”. Journal of Computer Assisted Tomography, 36(2), 161-164. (ビートルズの収益とCT開発資金の関連性について検証した論文)
3.地方独立行政法人 東京都立病院機構 医療健康コラム「CTとビートルズの意外な関係」
瀬谷アクロスデンタルクリニック
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